松山市の中心部、夜の活気に満ちた大街道商店街。ネオンが灯り、居酒屋の引き戸が開く音が響く頃、界隈のラーメン店は第二のピークを迎える。瀬戸内の地酒と旬の魚でもてなされた後、地元の人々が吸い寄せられるように向かうのは、こってりとした脂っこい一杯ではなく、優しく胃袋を包み込む〆のラーメンだ。
近年の飲食業界では深夜営業の見直しが進むが、大街道の夜麺カルチャーは健在だ。深夜2時を回っても、カウンター越しに湯気が立ち上り、店主の威勢の良い声が響く。お酒の後にすっきりと飲める澄んだ鶏ガラベースから、深夜の背徳感を満たす甘辛な豚骨醤油まで、多彩な選択肢が夜の街を歩く人々の足を止める。このナイトタイムエコノミーの豊かさも、松山の食の大きな魅力だ。