物語の舞台は、静かな時間が流れる宮崎県の山あいの町。夫と死別し、幼い息子を連れて故郷へ戻った谷口里枝(安藤サクラ)は、文具店にふらりと現れた影のある青年・大祐(窪田正孝)と出会います。趣味の絵画を通じて心を通わせた二人はやがて結婚し、新たな子どもにも恵まれ、平穏で温かな家庭を築いていました。
しかし、幸福な日常は唐突に断ち切られます。林業に従事していた大祐が、伐採現場の事故によって命を落としてしまうのです。悲しみに暮れる一周忌の法要の日、大祐の兄である恭一が訪れたことで事態は一変します。遺影を目にした恭一は、信じがたい言葉を口にしました。「これ、大祐じゃないです」。
愛した夫は一体誰だったのか。里枝から身元調査を依頼された弁護士の城戸章良(妻夫木聡)は、残された手がかりを追って日本各地を奔走します。調査が進むにつれて浮かび上がってくるのは、名前を売り買いする闇のブローカー、出自に苦しみ続けた男たち、そして周囲の人々が織り成す複雑な人間相関図でした。