メンズメイクの日常化も、この流れを加速させる大きな要因だ。男性用化粧品市場は拡大を続け、スキンケアやベースメイクは「身だしなみ」の一部として定着した。ここで興味深いのは、男性たちが求める肌表現が必ずしも「白さ」ではない点だ。健康的で引き締まった印象を与える小麦色の肌や、ナチュラルな質感を残した仕上がりが好まれる傾向にある。
さらに、個人のパーソナルカラー診断に基づくメイク提案が一般化したことで、「自分に似合うトーン」を知ることが最優先されるようになった。他者と比較した白さではなく、自分史上最高の肌状態を目指すパーソナライズド・ビューティーが、従来の美のヒエラルキーを解体している。