「神の気まぐれ」や「風のいたずら」とも囁かれたこのゴールですが、2010年にフランスのエコール・ポリテクニーク(理工科学校)の物理学者チームが学術誌『New Journal of Physics』に発表した研究論文によって、その全貌が物理学的に証明されました。
通常のカーブシュートには、回転する物体が空気中を移動する際に進行方向に対して垂直な力を受ける「マグヌス効果 サッカー」が働きます。しかし、ロベルト・カルロスのバナナシュート 科学的メカニズムは、単なるマグヌス効果にとどまらない特殊な条件下で成立していました。
物理学者たちの分析によると、ボールは初速時速137km以上の超高速で射出された直後、空気抵抗によって徐々に減速します。飛行距離が長かったことで、ゴール手前でボールの速度がマグヌス力を顕著に受ける臨界速度まで低下。その瞬間、強烈な回転によってボールが急激なスパイラルを描き、バルテズの守るゴールへと巻き込むように吸い込まれました。この現象は、十分な距離と初速、そして尋常ではない回転数が完璧に調和した結果生まれたものです。