少子化の波に抗えず、2013年に惜しまれつつ閉校した旧行方市立大和第三小学校。静まり返った木造校舎に再び命を吹き込んだのは、サツマイモスイーツ専門店でおなじみの白ハト食品工業株式会社だった。同社を率いる永尾俊彦氏は、衰退が危惧される地方農業の現状を打破すべく、生産・加工・販売を一体化させた「6次産業化」の壮大な実験場としてこの地を選び抜いた。
教室の黒板や木の廊下、体育館の梁などは当時の温もりをそのまま残し、訪れる者にノスタルジーを呼び起こす。かつて職員室だった場所が最新のスイーツラボに変わり、理科室が芋の熟成メカニズムを学ぶ展示室へと進化した。地域が背負った過疎の痛みを希望へと反転させたこの再生プロジェクトは、地方創生における金字塔として行政関係者や海外の研究者からも高く評価されている。