十朱幸代が築き上げてきた功績は、日本のエンターテインメント史において極めて大きな位置を占めています。1958年にNHKの青春ドラマ『バス通り裏』でデビューして以来、映画・ドラマ・舞台の第一線で活躍し続けました。
ニッポン放送の朝の帯番組『いってらっしゃい』では初代パーソナリティを務め、1976年から2002年までの26年間にわたり毎朝リスナーに温かい声を届けました。
銀幕の世界においても、数々の名演を残しています。
- 映画『魚影の群れ』(1983年):相米慎二監督のもと、マグロ漁師を取り巻く過酷な人間ドラマを熱演。
- 映画『櫂』(1985年):宮尾登美子原作の名作で、夫の放蕩に耐えながら凛として生きる妻・喜和役を演じ、第9回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。
- 映画『社葬』(1989年):大手新聞社の権力闘争を描いた社会派ドラマでブルーリボン賞主演女優賞を受賞。
- 舞台『奇跡の人』『女系家族』など:数多くの舞台で座長を務め、読売演劇大賞優秀女優賞などを受賞。
どのような役柄であっても芯の通った女性像を具現化してきた十朱幸代の演技は、自身の人生における確固たる自立心と深く結びついていたことが窺えます。