花江夏樹さんの演技がなぜこれほどまでに多くの人々を惹きつけるのか。その理由は、天性の声質に加えて徹底してキャラクターの痛みに寄り添う「身を削るような没入感」にあります。
音響監督や共演声優からも「花江くんはテストの段階から120%の感情をぶつけてくる」「喉の消耗を一切恐れない全力のアプローチ」と評されることが多い花江さん。特に「絶望・号泣・狂気の叫び」においては、声の掠れや息の乱れまでもが計算されたリアルな生々しさを放ちます。
一方で、近年の『オッドタクシー』小戸川役のように、低音でボソボソと喋る中年タクシー運転手という新境地も開拓。高いトーンの少年役にとどまらない引き出しの多さとナチュラルな芝居の巧さは、声優界でも屈指の評価を得ています。