ハルメクの心臓部は、間違いなく「生きかた上手研究所」と呼ばれる独自のシンクタンクだ。編集部には毎月、読者から送られてくるハガキが1万枚以上も積み上がる。そこには健康の悩み、夫への愚痴、老後資金の不安、手足の冷え、タンスの整理問題まで、ありとあらゆるリアルな日常が赤裸々に綴られている。
驚くべきは、編集スタッフや研究員がこの膨大な文字の山を一枚残らず読み込んでいる点だ。AIによる要約やテキストマイニングだけで済ませることはしない。生の言葉の端々に漂う「読者の小さな違和感」を人間が拾い上げる。たとえば「スマホの使いこなし」特集を組む際も、専門用語を一切使わず、「なぜLINEの通知音が鳴らないのか」といった泥臭い疑問に徹底的にページを割く。読者が「私の悩みをここまで分かってくれる人は他にいない」と涙ぐむのも無理はない。