日本のメディアでは混同されがちな「prison」と「jail」ですが、米国の法制度における最大の分岐点は「刑期の長さ(1年の壁)」と「裁判の判決が出ているかどうか」の2点に集約されます。
まず「jail(ジェイル)」は、警察に逮捕された直後の被疑者が一時的に身柄を拘禁される場所、あるいは保釈金を支払えない被告人が裁判の判決を待つための施設です。また、裁判で有罪が確定した場合でも、科された刑期が「1年未満」の比較的軽い罪(軽犯罪:misdemeanor)であれば、そのままjailで刑期を務めます。日本の司法制度に照らし合わせると、「警察署の留置所」と「法務省の拘置所」を合体させた施設に近い性格を持ちます。
一方の「prison(プリズン)」は、裁判で有罪判決が確定した既決囚(服役囚)のみが送られる施設です。対象となるのは、刑期が「1年以上」に及ぶ重大な犯罪(重罪:felony)を犯した受刑者です。したがって、裁判前の人物がprisonに入ることは法制上あり得ません。日本語の「刑務所」に正確に対応するのはprisonのみとなります。
この「1年」という明確な境界線を知っておくだけで、洋画やニュースで登場人物がどちらに送られたかを聞いた瞬間、その人物が犯した罪の深刻度を瞬時に見極めることが可能です。