COPD急性増悪や2型呼吸不全の患者において、低酸素血症の改善は必須ですが、過剰な酸素投与は厳禁です。臨床で遵守すべき標準プロトコルは、「必要最低限の流量から開始し、管理された目標SpO2を維持する」ことに尽きます。
一般的な急性期管理ではSpO2 95%以上を目指すことが多いのに対し、2型呼吸不全のリスクがある患者では目標SpO2を「88〜92%」に設定します。これ以上の高数値を追求すると、呼吸ドライブが抑制されてCO2貯留のリスクが跳ね上がります。
デバイスの選択も極めて重要です。鼻カニューラを用いる場合は0.5〜2.0L/minの低流量から慎重に漸増します。口呼吸の患者やより厳密な吸入酸素濃度(FiO2)のコントロールが求められる局面では、ベンチュリーマスクを選択し、FiO2 24%〜28%程度の低濃度酸素を正確に投与することが推奨されます。リザーバー付きマスクによる高流量・高濃度酸素投与は、心肺停止直前の蘇生場面などを除き、原則として禁忌に近い判断が求められます。