海外キャラクターのデザインにおいて、青という色彩の採用には作り手たちの極めて論理的な試行錯誤が隠されています。代表的な作品の裏エピソードを深掘りします。
スマーフが青い理由|「森の緑」と「人間の肌色」を避けた消去法の賜物
ベルギーの漫画家ペヨ(Peyo)が生み出した『スマーフ』。彼らが青い肌をしている理由は、当時の着色を担当したペヨの妻・ニネット夫人の証言によって明かされています。
舞台となる森を描くにあたり、草木の「緑」は同化してしまうため除外。黄色は病的に見え、赤は攻撃性が強すぎる。さらに人間の肌色(ピンク系)にすると妖精としての非日常感が損なわれてしまう――徹底的な消去法を行った結果、「自然界の緑に最も美しく映え、温和に見える色」として選ばれたのがあの独特なブルーでした。
スティッチの青|ハワイの温かみと「宇宙の孤独」を際立たせるコントラスト
ディズニー映画『リロ&スティッチ』の監督クリス・サンダースは、当初スティッチを人里離れた森の動物として構想していました。しかし設定が「銀河連邦から逃亡してきたエイリアン」へと発展する中で、地球上の生き物とは一線を画す青色が決定付けられます。
作品全体のトーンはハワイの瑞々しい大自然と水彩画風の柔らかいタッチで描かれています。その中にあって、「宇宙から来た異質な存在」でありながら、どこか寂しげで愛おしさを感じさせるために、鮮やかなコバルトブルーが極めて効果的に機能しています。
クッキーモンスターとサリー|「怖がらせない怪物」を作る色彩設計
モンスターを主人公に据える際、制作陣が最も警戒するのは「子どもたちに恐怖心を与えてしまうこと」です。『セサミストリート』の生みの親ジム・ヘンソンは、当初スナック菓子のCM用モンスターとして考案した怪物を、番組導入にあたって温かみのある鮮烈なブルーのパペットへと改良しました。
ピクサーの『モンスターズ・インク』でアートディレクター陣がサリーに施したのも同様の計算です。体長2メートルを超える巨体と鋭い爪を持ちながら、観客に一目で「優しい心の持ち主」と確信させるため、シアンブルーの柔らかな毛並みにラベンダー色の斑点をあしらう配色が採用されました。