カワサキ・KZ1000がこれほどまでに人々の記憶へ深く刻み込まれている理由は、スペックの高さだけではない。70年代末から80年代にかけて世界を席巻した映像作品や有名人の存在が、その神話を不可逆なものにした。
映画『マッドマックス』でジム・グースが疾走させたあの荒々しいカスタムマシン、そしてアメリカのテレビドラマ『白バイ野郎ジョン&パンチ』で警察車両としてカリフォルニアのハイウェイを走り抜けた白バイ仕様のKZ1000P。スクリーン越しに放たれた圧倒的な存在感は、世界中の若者の心に強烈なトラウマにも似た憧れを植え付けた。日本国内においても、俳優の岩城滉一氏をはじめとするモーターサイクル文化のアイコンたちが愛用し続けることで、アウトローかつ洗練された大人のバイクという雰囲気を強固なものにしている。