『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』を代表する名言「貴様見ているな」が誕生した現場は、物語の舞台がいよいよエジプト・カイロへと突入した緊迫の局面です。ジャンプ・コミックス版第24巻(「DIOの館を探し出せ その①」)、文庫版では第15巻に収録されているエピソードにおいて、この歴史的な邂逅は描かれました。
承太郎一行はエジプト上陸後、街中に潜むDIOの潜伏先(館)の正確な位置を突き止めるため、カイロ市内のホテルで情報収集を試みます。そこでジョセフ・ジョースターが発動したのが、自身のスタンド「隠者の紫(ハーミットパープル)」を用いたテレビ念写でした。ホテル室内のテレビ受像機にスタンドの茨を突き刺し、ランダムにチャンネルを高速切り替えさせながら思念を映像化していく中、画面に浮かび上がったのは暗闇の中でワイングラスを傾けるDIOの姿でした。
次の瞬間、予期せぬ戦慄が走ります。テレビ画面の中のDIOが突如として背後を鋭く振り返り、画面の向こう側にいるジョセフを正確に指差しながら「ジョセフ・ジョースター! き…貴様! 見ているなッ!」と叫んだのです。直後、テレビ受像機は高負荷に耐えかねたように爆発炎上。偵察を試みた側が逆に居場所を特定されかけるという、圧倒的なカリスマと超常的恐怖を読者に焼き付けました。