ネットミームとしての発端を語る上で欠かせないのが、スイスの錯視画家サンドロ・デル=プレーテ(Sandro Del-Prete)が1990年代初頭に発表した絵画『Message d'amour des dauphins(イルカの愛のメッセージ)』です。この作品こそが、日本のみならず世界中のネット掲示板で「世界一エロい画像」として拡散された伝説的な元ネタとして知られています。
この絵には、花瓶のシルエットの中に「9頭のイルカ」が泳ぐ様子が精密に描かれています。しかし、大人がこの絵を見ると、男女が抱き合っているシルエットとして知覚してしまいがちです。心理学の実験でも「性的な記憶や知識を持たない純粋な子供にはイルカだけが見え、大人の脳は男女の抱擁を優先して認識する」という事実が実証されており、これがネット上で「心が汚れていると別のものに見える画像」として爆発的な話題を呼びました。
2000年代初頭のテキストサイト時代から2ちゃんねる(現5ちゃんねる)、そしてTwitterやInstagramへとプラットフォームが変遷する過程で、この作品は形式を変えながら何度も再発掘され、現在のバイラル文化の礎を築きました。