彼女の原点を語る上で欠かせないのが、自ら立ち上げた「劇団□字ック」だ。小劇場演劇の枠組みを破るような激しい感情のぶつかり合いと、女たちの業や欲望を容赦なく描くスタイルは、旗揚げ当初から演劇界に大きな衝撃を与えた。
劇場という閉ざされた空間で、客席の呼吸すら変えてしまう密室劇のダイナミズム。そこで培われた劇作家としての地力と、登場人物のセリフ一音一音に対する執着が、現在の映像演出における強固なバックボーンとなっている。成功と挫折を繰り返しながら劇団を守り抜いた日々が、彼女の作る物語に揺るぎないリアリティを与えているのだ。