黒柳徹子さんが「40年間思い続けた男性」として公に語ったお相手、それはブルガリア出身の世界的ピアニスト、アレクシス・ワイセンベルク(Alexis Weissenberg)氏です。豪快かつ繊細な演奏で世界中のクラシックファンを魅了し、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とも度々共演した20世紀屈指の名演奏家でした。
ふたりの出会いは1970年代、黒柳さんがニューヨークに留学していた時期や日本での取材を通じて急速に距離を縮めたとされています。当時すでに多忙を極めていた黒柳さんと、世界中を演奏旅行で飛び回っていたワイセンベルク氏。生活拠点がまったく異なるふたりが選んだのは、「年に1〜2回、ヨーロッパなどの旅先で落ち合って濃密な時間を過ごす」という距離感を保った交際スタイルでした。
パリやロンドンなどで待ち合わせをし、お互いの仕事を尊重しながら語り合う関係は、およそ40年間にわたって続きました。ワイセンベルク氏は2012年に惜しまれつつ他界しましたが、彼が息を引き取るまで、その精神的な絆が途切れることはありませんでした。黒柳さんにとって彼は、生涯でただひとり心から尊敬し、魂を分かち合った特別な恋人だったのです。