打ち上げを担当した花火師たちにとっても、2026年の淀川は特別な舞台だった。長引くコロナ禍で全国の花火大会が相次いでキャンセルとなり、花火火薬の保管や技術の継承すら危ぶまれていた時期である。職人たちが秘めていた情熱のすべてが、あの約1万発の弾薬に注ぎ込まれた。
オープニングを飾った圧倒的な連発花火から、淀川名物の水中スターマイン、そして圧巻のラストを飾る錦冠菊(にしきかむろぎく)まで。夜空一面を黄金色の光のシダレヤナギが覆い尽くし、地上へ降り注ぐようなフィナーレでは、あまりの美しさに涙を流す観客の姿も散見された。休止期間中に磨き上げた最新の打ち上げ制御技術と、職人の意地が融合した光のショーは、日本の花火技術が健在であることを世界に知らしめた。