杉田水脈氏が議席を失った最大の引き金は、2026年10月の衆議院議員総選挙において自民党公認を得られず、最終的に出馬断念へ追い込まれたことにあります。ネット上では「落選」というワードで広く検索されていますが、厳密な経緯としては「選挙を戦って落選した」のではなく、「比例公認の見送り通告を受けて不出馬となり、議員バッジを失った」というのが正確な事実関係です。
この事態を決定づけたのが、自民党派閥(旧安倍派)における政治資金パーティー収入の不記載、いわゆる裏金問題に伴う党の処分でした。党の公式発表資料によると、杉田氏の不記載額は5年間で計1,564万円に達し、2026年4月に党規律委員会から「党の役職停止6カ月」の処分が下されました。
総選挙直前に就任した石破茂総裁率いる自民党執行部は、政治不信の払拭を最優先課題に掲げ、処分対象となった議員に対して極めて厳しい公認基準を設定しました。具体的には以下の3原則が適用されました。
- 党員資格停止など重い処分を受けた議員の非公認
- 処分対象者の小選挙区・比例代表の「重複立候補」の全面禁止
- 小選挙区を持たず比例代表単独での立候補を目指す処分対象者に対する「公認見送り」
自前の小選挙区を持たず、比例中国ブロック単独での優遇公認を頼みとしてきた杉田氏にとって、この「比例非公認」の通告は事実上の退場宣告に等しいものでした。党執行部からの内覧後、杉田氏は自身のSNSや記者会見で不出馬を表明。「党の決定に従い、一兵卒として出直す」と語り、苦渋の決断を下すこととなりました。