「あの頃は、毎朝起きてアクセス解析を見るのが怖いくらいに数字が跳ね上がっていた」。そう振り返るA氏(40代)は、2010年代半ばから巨大ネットワークの恩恵を受け、毎月数千万円規模の広告収入を得ていた人物だ。タワーマンションを借り、外車を乗り回すメディア運営者が歌舞伎町や六本木に溢れていた時代があった。
だが、その狂乱の宴は静かに、そして決定的に終わった。「アクセスを送り返す義務に追われ、四六時中スクリプトの調整をし、アルゴリズムのアップデートに怯える日々。結局、自前のファンや固有のコンテンツを持たなかったサイトは、インフラが崩れた瞬間にすべてを失った」とA氏は静かに語る。時代の変化に伴い、かつての暴利は姿を消し、残されたのは膨大な過去のデジタルゴミと、急速に冷え込む市場の現実だけだった。