俳優としての顔だけでなく、長年にわたりNHKで案内人を務める『美の壺』で見せる洒脱な一面も、彼の大きな魅力だ。着物を粋に着こなし、器や工芸品を慈しむように見つめる仕草には、大人の洗練された品格が漂う。日常の何気ない美しさを軽やかに紐解く姿に、長年のファンだけでなく若い世代からも憧憬の眼差しが向けられている。
重厚な時代劇の殺陣で魅せる鋭さと、ライフスタイル番組で見せる肩の力の抜けた佇まい。この極端とも言える振れ幅を軽々と行き来できる点にこそ、唯一無二の個性が光る。年齢を重ねることを恐れず、むしろシワの一つひとつを自らの表現の武器へと昇華させているのだ。