色彩心理学の観点から見ても、オレンジという色は人間に強い活力を与え、社交性や興奮を喚起する色として知られる。スタジアムという非日常の空間において、何万という人々が同色のウェアを身にまとうことで生まれる連帯感は圧倒的だ。ピッチ上の選手にとっても、味方の視認性が高まるという実用的なメリットが存在する。
相手チームに強烈な心理的圧迫感を与えつつ、味方同士の結束を高める。かつて「トータルフットボール」がピッチを席巻した際も、目まぐるしくポジションを入れ替える選手たちが一瞬で味方の位置を把握できた背景には、この鮮烈な視認性が寄与していたとも言われている。感情を揺さぶり、判断を加速させる魔力が、あの橙色の生地には宿っている。