大久保公園で繰り広げられる悲劇の本質を追う上で、ノンフィクション作家の石井光太らによる一連のルポルタージュが果たした役割は大きい。現場に足繁く通い、路上に立つ少女たちの生い立ちや家庭環境を丹念に聞き取った著作は、事件の背景にある家庭内暴力、精神的孤立、発達障害や知的障害への支援不足といった本質的な問題を明るみに出した。
彼女たちが求めていたのは、単なる金銭ではない。歌舞伎町という街が持つ特有の包摂性や、SNS上でつながる疑似家族的な人間関係に救いを求めた結果として、悪質な搾取構造に絡め取られていく。ノンフィクションの鋭い眼差しは、警察による罪の立件だけでは救えない「生きづらさ」の深遠さを我々に突きつけている。