排尿トラブルを正しく把握するためには、「回数」と「1回の尿量」、そして「排尿時の仕草」をセットで観察することが不可欠です。
何度もトイレに行くが「出ない」乏尿・尿道閉塞の危険
犬がおしっこをするポーズを何度も取るのに数滴しか出ない、あるいは全く出ない状態は、最も警戒すべき危険サインです。尿量が著しく減少する「乏尿」、完全に尿が止まる「無尿」は、尿路結石が尿道に詰まる尿道閉塞や、急性腎不全を起こしている可能性を示唆します。
特に雄犬は尿道が細く長いため結石が詰まりやすく、完全閉塞から24〜48時間以上放置すると尿毒症を発症し命を落とすリスクが跳ね上がります。トイレシートに向かって何度もいきんでいるのに排尿できていない姿を見たら、夜間であっても迷わず救急動物病院へ連絡を入れる決断が必要です。
「色の濃淡」と「におい」が語る体内環境
シートに広がった尿の「色」も重要な診断材料となります。正常な尿は澄んだ淡黄色から黄金色ですが、以下のような色の変化が現れた場合は病気のサインです。
・異常に色が薄く無色透明に近い:慢性腎臓病、糖尿病、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)などによる多飲多尿。
・色が濃い茶褐色・オレンジ色:極度の脱水症状、肝機能障害、溶血性貧血など。
・ピンク色・赤色・濁りがある:膀胱炎、尿路結石、生殖器疾患による血尿や膿の混入。強いアンモニア臭やツンとした腐敗臭を伴う場合もあります。