小金沢健人の長いキャリアの中には、美術界に強いインパクトを与えたエポックメイキングな展覧会が数多く存在します。
2019年、KAAT神奈川芸術劇場で開催された大型個展「裸の劇場」は、彼の代表作として高く評価されています。舞台という特異な空間を用い、演者不在のまま光、音、巨大な立体物、プロジェクション映像だけが躍動する空間を作り上げました。劇場が本来持つ「物語性」を脱構築し、空間そのものの呼吸を感じさせる実験的試みでした。
また、2023年に東京のKOTARO NUKAGAで開催された「Dual Doodle Double Square」や、ベルリンのLoock Galleryでの個展「Double Sisters, Divided Brothers」では、ドローイングと幾何学的要素、映像の同期による表現の進化を見せました。二重性や対比といったモチーフを用いながら、視覚の解像度をどこまでも高めていくアプローチが印象的です。