出雲そばといえば、丸い漆器の器を3段重ねにして供される割子そば(わりごそば)が全国的にも有名です。東京などの一般的な盛りそばとはいただき方の作法が大きく異なります。
最大の特徴は、徳利に入ったつゆをそば猪口に注ぐのではなく、割子の器に直接つゆを回しかけて食べる点にあります。本田商店のつゆは、出雲伝統の甘辛くコク深い出汁が効いた濃厚仕立てになっており、太めで風味の強い麺に負けない絶妙なバランスに仕上がっています。
本場流の美味しい食べ方は以下の通りです。
まず1段目のそばに、もみじおろし、刻みねぎ、もみ海苔、かつお節などの薬味をのせ、上から秘伝のつゆを適量かけます。そのまま1段目を手繰り終えたら、器の底に残ったつゆを捨てずに、そのまま2段目の器へと移します。さらに必要に応じて薬味とつゆを少し足し、同様に3段目へと食べ進めていきます。この合理的な食べ方により、出汁とそばの香りが段を重ねるごとに馴染んでいきます。
また、茹で湯として残ったそば湯も極上のごちそうです。本田商店の十割そばから溶け出したそば湯は、とろみとルチンがたっぷりと含まれた濃厚なポタージュのようになります。残ったつゆを割って飲むことで、食後の余韻を心ゆくまで味わうことができます。