ふたりが選んだのは、日本の伝統的な「入籍」という形ではなく、フランスに根付く「事実婚(パートナーシップ)」だった。この選択もまた、当時の日本社会に大きな議論と新鮮な驚きを巻き起こした。
形式的な婚姻関係に頼るのではなく、精神的な絆と信頼でお互いを縛り合わない関係。ジャン・アレジの前妻との法的手続きや文化的な違いを軽やかに飛び越え、ふたりは独自の家庭を築き上げた。「愛しているから一緒にいる、それだけで十分」という自立した生き方は、多様なパートナーシップが認められる現代の価値観を30年も先取りしていたと言える。