彼女が自らの痛みに満ちた半生を真実の言葉で綴った自伝エッセイ『一度も愛されたことがない』は、出版界および世間に巨大なショックを与えた。タイトルのセンセーショナルさ以上に、行間から滲み出るリアルな絶望と「毒親」という存在の暴力性が読者の心を激しく揺さぶった。母親からの虐待や過度な干渉、そして娘を個人として認めない身勝手な振る舞いが事細かに描写されている。
かつて大手事務所である太田プロダクション等に所属し、女優として多忙を極める傍らで執筆されたこの手記は、単なる暴露本ではない。同じように毒親に苦しむ人々への共感であり、自分自身の魂を解放するための血の滲むような救済の手記であった。「親を愛せない自分」に対する罪悪感と、「生き延びるために親を捨てなければならない」という悲痛な覚悟。本著で語られた葛藤は、家族の美徳を絶対視しがちな社会に強いアンチテーゼを投げかけた。