IOCはパリで開催された総会において、2030年冬季大会をフランス・アルプス地域、2034年大会を米国のソルトレークシティで開催することを正式に承認しました。2大会同時の開催地決定は、2026年パリ五輪・2028年ロサンゼルス五輪の選定時と同様、将来的な候補地不足リスクを回避するための極めて戦略的な措置です。
フランス・アルプス地域の計画は、ニースを中心とする沿岸部の屋内競技会場と、サヴォワ地方・オート=サヴォワ地方に点在する名門スキー場群(クールシュヴェル、メリベルなど)を組み合わせた広域分散型が特徴です。競技施設の約93%に既存インフラを活用し、新規建設を極限まで抑えるコンパクトかつ持続可能なマスタープランが評価されました。
一方で、選考過程では「フランス政府保証の提出」が異例の条件付き承認となりました。当時のフランス国内における政局混迷に伴い、財政保証書の提出期限が猶予される形での暫定選出となった経緯は、メガイベント開催に伴う政治的リスクの難しさを改めて浮き彫りにしています。