「イギリス」という発音は、英語ネイティブの耳には全く別の単語や意味不明な音として聞こえてしまいます。この呼称が生まれた背景には、日本の戦国時代から江戸時代初期にかけての外交史が深く関わっています。
当時、日本に来航していたポルトガル商人が使っていた「イングランド人」を指すポルトガル語「Inglez(イングレス)」や、オランダ語の「Engelsch(エンゲルシュ)」が日本語の音韻変化を起こし、「エゲレス」を経て現在の「イギリス」として定着しました。つまり、イギリスという単語はポルトガル語をベースとした外来語であり、英語のボキャブラリーには存在しません。
英語圏で日本の「イギリス」に相当する国家全体を指したい場合、日常会話では「the UK」(定冠詞theを伴う)や「Britain(ブリテン)」と表現するのが一般的です。単に「England(イングランド)」と呼ぶケースも見受けられますが、これは後述するように国家全体を指す言葉としては厳密には誤りとなります。