ボウイの瞳が放つ引力は、音楽の領域を軽々と飛び越えて映画界をも魅了した。ニコラス・ローグ監督のSF映画『地球に落ちて来た男』(1976年)で彼が演じた異星人トーマス・ジェローム・ニュートン役は、まさにあの瞳なくして成立し得なかった配役だろう。特異な視線が醸し出す孤独と異質感は、演技を超えたリアリティをスクリーンに焼き付けた。
さらに大島渚監督の傑作『戦場のメリークリスマス』(1983年)において、坂本龍一演じるヨノイ大尉を激しく動揺させる陸軍少佐セリアズの眼差しも、この瞳孔不同の魔力に負うところが大きい。BBCをはじめとする各国のドキュメンタリー番組は、彼が光を真っ向から見つめた際に見せる冷徹なまでの表情の変化を幾度となく克明に記録している。