どれほど素晴らしい木材であっても、それを削り出す職人の技術が未熟であれば、その価値を発揮することはできません。もくもく工房の制作現場では、極めて高度な木工技法が駆使されています。
木軸ペンの制作は、角材の中央に正確な穴を開け、真鍮製のパイプを接着することから始まります。ここでのわずかなズレが、最終的なペンの書き味や耐久性を左右します。
次に、高速で回転する木工旋盤(ろくろ)に木材をセットし、刃物(バイト)を当てて慎重に削り出していきます。木の繊維の走り方、硬さ、油分の含み具合は樹種によってまったく異なります。職人は刃先から伝わる感触と音、そして削り屑の舞い方を感じ取りながら、刃を進める角度と圧力をミクロン単位で微調整するのです。
「木は素直だが、裏切ることもある。内部に隠れた小さな空洞や亀裂を見極め、木が望む形へと導くのが削り出しの真髄だ。」
削り出された軸は、粗い紙やすりから超極細の磨き粉まで段階を踏んで丹念に磨き上げられます。この下地処理の丁寧さこそが、もくもく工房特有の「吸い付くようなフィット感」を生み出しています。