全国にわずか30人ほどしかいない小鳥遊姓を持つ人々の日常生活は、一般的な名字の人にはない独特の体験の連続です。SNS上の声や過去のインタビュー取材記録から、当事者のリアルな実態が浮かび上がってきます。
まず挙げられるのが、公的機関や電話口での説明の難しさです。病院の受付や役所の窓口で初対面の相手に正しく読まれる確率はほぼゼロに近く、「ことりあそび様」「こちょうゆう様」と誤読されることは日常茶飯事です。電話口で名字を伝える際も、「小鳥が遊ぶと書いて『たかなし』です」と説明しなければ伝わらず、配送伝票の宛名書きでも漢字の説明に時間を要します。
また、昨今ではアニメ作品の影響により、初対面の人から「本名ですか?」「コスプレ用のペンネームですか?」と疑われてしまうケースも増えています。身分証明書の提示を求められた際、偽名を疑われて驚かれたという当事者ならではのエピソードも存在します。
一方で、「一度覚えてもらえれば絶対に忘れられない」「話のきっかけ(アイスブレイク)として最強の武器になる」といった肯定的な意見も目立ちます。先祖から受け継いだ風流で美しい苗字に対し、強い誇りを持っている当事者が大半を占めています。