都市計画の名のもとに進む浄化と再開発。その華やかな光の真裏で、長年この街に寄り添ってきた住民たちの生活基盤には確実に軋みが生じている。現地で聞き取りを続けると、長年福祉やシェルターの役割を果たしてきた安価な宿泊施設が、インバウンド需要や若者向け投資物件へ転売されるケースが相次いでいる実態が浮かび上がった。
「家賃の安い部屋が減り、高齢の単身者が居場所を失いかけている」と、地域支援を続けるボランティア団体の幹部は声を潜める。行政が主導する美観整備や治安改善策が一定の成果を上げる一方、行き場をなくした人々が近隣地域へ押し出される現象も確認された。街の表層が綺麗に塗り替えられる背後で、弱者のセーフティネットが音を立てて変形していく現実は見逃せない。