倍速視聴が当たり前になり、結末を知ってから映画を見る若者が増えたと言われる現代。しかし、その過剰な効率主義に疲弊した人々が、いま真逆の価値に気づき始めている。同館が提供するのは、あらかじめ用意された「正解」のない時間だ。
「自分で選ばない面白さ」がそこにはある。名作クラシックと最新のインディーズ作品が奇妙な共通点で結ばれたり、まったく異なるジャンルの2本が脳内で化学反応を起こしたりする。観客はスクリーンに身を委ねるしかない。この「受動的な豊かさ」こそが、選択肢の多さに溺れかけた現代人にとっての救いとなっている。