タイトルが示す通り、フランスの作家サン=テグジュペリによる不朽の名作『星の王子さま』へのオマージュが散りばめられている点は見逃せない。純真無垢な王子が宇宙を旅する寓話のイメージを、桑田佳祐は大胆にも歪め、官能的でサイケデリックな世界観へと再構築してみせた。
文学的なモチーフをあえてポップカルチャーの過剰な文脈へと放り込むこの手法は、まさに彼ならではの真骨頂と言える。聖なるものと俗なるものを同列に並べ立てることで、リスナーの既成概念を心地よく打ち砕いていく。言葉の響きそのものが持つ快感を極限まで高めた詩世界は、邦楽歌詞の可能性を大きく押し広げた。