一方で、彼女の真骨頂は手に汗握るサスペンス作品でも遺憾なく発揮されている。話題を呼んだ作品『クジャクのダンス、誰がみた』では、運命の悪戯に翻弄されながらも真実を追い求める主人公の葛藤を鋭い演技で体現した。息をのむ展開が続くスリリングな物語の中で、緊迫感あふれる心理戦を見事に演じきっている。
恐怖や疑惑、愛憎といった多層的な感情を時に静かに、時に爆発させる演技の振り幅は圧巻の一言に尽きる。サスペンスというジャンルにおいて、彼女は単なるストーリーテラーにとどまらず、物語全体の緊張感をコントロールする重要な役割を果たしてみせた。