みたま祭りの起源は、終戦直後の昭和22年(1947年)に遡ります。戦禍によって肉親を失った遺族や国民が、国難に殉じた戦没者の御霊を慰め、平和への誓いを新たにするために始められた慰霊祭です。古来日本に伝わる「お盆(盂蘭盆会)」の祖先供養の精神と神道の祭祀が融合し、東京の夏の夜を彩る感謝と祈りの行事として定着しました。
この慰霊の灯火は靖国神社にとどまりません。日本全国各都道府県に鎮座する「護国神社(ごこくじんじゃ)」においても、それぞれの地域ゆかりの英霊を偲ぶ「みたま祭り」が毎年夏に斎行されています。
例えば、福岡縣護国神社では毎年8月中旬に数千灯の提灯が緑豊かな杜を照らす「みたままつり」が開催され、名物の「蚤の市」やフードエリアとともに市民に親しまれています。また、大阪護國神社や愛媛県、広島県などの護国神社でも、各地域の歴史を背負った灯籠流しや万灯会が実施されており、全国規模で連綿と受け継がれる精神文化のネットワークを形成しています。