表向きの華やかなスウィングビートとは裏腹に、歌詞に刻まれたストーリーは極めて頽廃的で影がある。題材となった女性「ミニー」は、貧困街でたむろするタカリ屋(ムーチャー)であり、アヘン窟に出入りする危険な男と恋に落ちて狂気へと堕ちていく。甘い歌声に隠されたこのアンダーグラウンドな世界観こそが、当時の若者を狂喜させた真実の姿だ。
当時の大衆歌謡が描いていた無菌室のラブロマンスに対し、本作はストリートの貧困、依存、退廃を剥き出しのまま提示した。禁酒法時代の裏社会と直結したリアルなルーツを持っていたからこそ、聴衆の心へ刃のように突き刺さったのだ。