彼らが遺した音楽は、年月が経過した今も色褪せることなく、数え切れないほどの人々に聴き継がれています。
wowaka氏が約6年ぶりのボカロ楽曲として2017年に発表した『アンノウン・マザーグース』は、初音ミクへの感謝と葛藤、そして音楽への愛が凝縮された珠玉の名作です。かつて『裏表ラバーズ』『ローリンガール』『ワールズエンド・ダンスホール』でボカロシーンの潮流を決定づけた彼が、集大成として打ち立てた金字塔となりました。
椎名もた氏が逝去した当日にニコニコ動画へ投稿された『赤ペンおねがいします』は、彼の事実上の遺作として知られています。また、生前に手掛けた『ストロボラスト』『アストロノーツ』、そして後年世界的なバイラルヒットを記録した『少女A』など、思春期の孤独や揺らぎを独自のコード感で紡いだ楽曲群は、唯一無二の輝きを放ち続けています。
samfree氏の代表作『ルカルカ★ナイトフィーバー』をはじめとする「ナイトシリーズ」は、歌ってみた・踊ってみたのムーブメントを爆発的に広げた原動力でした。誰もが直感的に楽しめるダンスビートは、ボーカロイドがサブカルチャーから大衆カルチャーへと羽ばたく大きな足がかりを作りました。