米津玄師といえば、かつて印象的だったのが右目を深く覆い隠すアシンメトリーな髪型だ。デビュー当時の彼は、メディア露出を最小限に抑え、シルエットや影を強調したビジュアル表現を好んでいた。この「右目を隠す」スタイルには、単なるファッションにとどまらない深い理由が存在する。
本人も過去のインタビューで言及しているように、あえて視線や表情の一部を遮断することで、リスナーの意識を「個人のキャラクター」ではなく「純粋な音楽作品」へと向かわせる意図があった。過度な自己主張を避け、作品そのものを主役に据える姿勢。影のあるアシンメトリーな前髪は、彼にとって世界との距離感を保つための静かな防壁であり、表現者としての繊細な美意識の表れだったのだ。