ウォルト・ディズニー・カンパニーが生み出してきた膨大な作品群の中でも、本作が提示したバディ・コメディの完成度は頭ひとつ抜けている。正義感の塊である警官ジュディ・ホップスと、世すれしていながら情に厚いアカギツネのニック・ワイルド。全く異なる生い立ちと価値観を持つ二人が、衝突を繰り返しながらも強固な信頼関係を築き上げるプロセスは、観客の感情を揺さぶり続けて離さない。
作中に込められた偏見への反警鐘や多様性のテーマは、大人になってから鑑賞し直すことでさらに深みを増す。お互いに向ける視線の角度、絶妙な距離感、言葉の裏に隠された信頼。コスプレという手段でその空気感を追い求める行為は、作品に対する最高のオマージュに他ならない。