絹谷幸太の芸術活動を語る上で、家族という稀有なクリエイティブ集団との相互作用も興味深い。父・幸二、妹・香菜子とのコラボレーション展覧会「万物の鼓動」などは、美術界で大きな話題を呼び続けている。
「父は色で生命を爆発させ、妹は繊細な筆致で生命を紡ぐ。私は硬い石の中から生命を掘り起こす。手法も素材も異なるが、私たちが目指している根底には『命の尊厳と自然への畏敬』という共通の脈動がある」
油彩画のアフレスコ表現、日本画の岩絵の具、そして彫刻の天然石。マテリアル(素材)は違えど、地球の鉱物や色彩の素質を使う点において、三者の表現は深く連動している。幸太の作品に流れる密やかなダイナミズムは、この豊かな血脈と相互刺激から磨かれたものでもある。