おにぎりをカウンターカルチャーから芸術の域へと押し上げたのが、東京最古の専門店「おにぎり浅草宿六」だ。三代目店主の三浦洋介氏は、客の目の前で一貫ずつ寿司のように提供するスタイルを貫く。厳選された江戸前海苔の歯切れ、全国から選び抜いた単一原料米の輪郭。妥協なき仕事は世界を震撼させ、「ミシュランガイド東京」のビブグルマンに選出されるという歴史的快挙を成し遂げた。
現在、食べログなどのグルメサイトで高評価を叩き出す新世代の店舗群も、こうした名店のDNAを貪欲に吸収している。羽釜炊きにこだわる専門店や、発酵食品を巧みに組み合わせた創作おにぎり店など、個性豊かな新勢力が続々と台頭。ただ腹を満たすためではなく、職人の所作と米の個性を味わうために店を選ぶ時代が到来している。