絵の具の粒が囁く。キャンバスが息づく。藤田真理という芸術家の創作スタイルを一言で表すなら、「物質の深淵に挑む探求者」と言える。岩手県および石川県で幼少期や青春期を過ごした彼女は、北国の厳しい自然や豊潤な大地が持つ独特の美意識を身体に染み込ませてきた。
1974年に横浜市へと拠点を移して以来、半世紀近くにわたり同地で精力的な制作活動を続けている。彼女の描く作品は、従来の洋画という枠組みに収まらない。鉱物や金属が持つ冷徹な美しさと、生命を包み込む優しさを同居させた画面構成は、国内外のアートコレクターや批評家たちを長年にわたり魅了し続けている。