特に自浄作用と個性の主張が激しくぶつかり合うのがヒップホップシーンだ。街のリアルな現実や反骨精神を歌い上げるカルチャーの性質上、既存のルールや芸能界のコンプライアンス基準と衝突することは避けられない。ストリート発の音楽がメジャーシーンで巨大な影響力を持つようになった今、その摩擦はますます大きくなっている。
過剰な自粛圧力に対して、シーンの担い手たちからは「表現の抹殺だ」という反論が根強く存在する。逮捕=即座にすべての活動と実績を消し去るという日本の極端な社会的罰則のあり方に対して、海外の音楽業界との温度差を指摘する声も少なくない。