花火大会の土台にあるのは、日本屈指の陶器市として名高い「せともの祭」の圧倒的なエネルギーだ。瀬戸川の両岸には約数百軒におよぶ陶器テントがずらりと並び、作家の一点物から日常使いの器までが驚きの価格で取引される。昼間は掘り出し物を探すバイヤーやファンで身動きが取れないほどの賑わいを見せる。
千年以上の歴史を紡ぐ瀬戸焼。白く滑らかな磁器から素朴な風合いの陶器まで、この街のアイデンティティは土と炎と共にある。日中に器を手に入れ、その温もりに触れた人々がそのまま夜の花火へと流れ込む。モノづくりへの敬意が街全体を包み込む独特の空気感は、他のどの花火大会にも真似できない。