かつて医療をテーマにした番組といえば、名医の最新治療法や病気の予防法を解説する知識提供型が主流だった。しかし本作は、病気そのものではなく「病気と共に生きる人間」に焦点を当てる。
これはテレビ放送業における、ひとつの大きな革新だ。ラジオという古典的で親密なメディアの特性をテレビの中に持ち込み、トーク番組としての軽快さと、ドキュメンタリーとしての重厚さを同時に成立させている。病状の過酷さを語りつつも、最後にはなぜかクスッと笑えて心が軽くなる。この独特の読後感ならぬ「視聴後感」は、従来の枠組みを超えた新しいエンターテインメントの形を提示している。