結論から整理すると、2026年現在において児童手当の第3子に対する月額6万円給付は実現していません。現行法における第3子以降の支給額は月額3万円です。ではなぜ、インターネットやSNS上で「第3子は月6万円もらえる」という話が事実であるかのように語られ続けているのでしょうか。調査を進めると、報道各社の過去ニュースと給付の実務運用に起因する2つの明確な理由が浮き彫りになります。
第1の背景は、政府が「異次元の少子化対策」を策定する過程で報じられた制度改正の経緯ニュースにあります。2026年春、政府・与党内で児童手当の大幅拡充が議論された際、自民党のワーキングチーム内で「第1子月1万5000円、第2子月3万円、第3子月6万円とし、子ども3人の世帯へ月10万円を給付する」という大胆な試算案が浮上しました。カンテレなどの民放各局や全国紙が「子どもが3人いれば月10万円支給か」と大々的に特集を組んだため、その強いインパクトが親世代の記憶に強く刻み込まれ、「月6万円が決定した」という誤認を生む土壌となりました。
第2の背景は、通帳記帳時に生じる「視覚的な錯覚」です。制度改正に伴い、児童手当の支給日は従来の年3回(4か月分ごと)から偶数月の年6回振込へと変更されました。2か月分がまとめて入金されるため、第3子加算(月3万円)を受ける世帯の口座には、毎回「3万円×2か月分=6万円」という数字が印字されます。この通帳の印字を見た保護者が「第3子として6万円振り込まれていた」とSNS等で発信し、1回あたりの振込額と1か月あたりの支給基準額が混ざり合って拡散されたことが、誤解を強固にした決定的な要因です。