2026年、全国の植物園や自治体の観光課を慌てさせているのが、過去最速レベルで進む開花スケジュールの前倒しだ。例年であればゴールデンウィーク後半から見頃を迎える中部地方の群生地において、今年は4月下旬にはすでに満開のピークを迎えていた。
気象庁の観測データによれば、2026年の春は全国的に寒の戻りが少なく、3月後半からの気温急上昇が開花スイッチを早期に押し切ったとされる。「これまで10年のデータを振り返っても、これほど一気に満開を迎え、そして散っていくペースが早い年は珍しい」と、愛知県内の植物園で保全活動に携わる研究者は肩を落とす。
開花時期の短縮は、地域の観光事業にとっても死活問題だ。まつりの日程と満開のタイミングがずれることで、訪れる観光客の動線や受け入れ態勢の再構築が急務となっている。地球温暖化がもたらす季節感のずれは、この歴史ある名木にも容赦なく影を落としている。