京セラドームのスタンド下段を攻略するうえで、避けて通れないのが「座席番号の読み解き」と「列の仕組み」です。多くの初来場者が戸惑うのが、チケット券面に印字された列表記と、実際のスタンド配置における乖離です。
スタンド下段の座席は、一般的に数字列(1列〜35列程度)で構成されていますが、ここで注意しなければならないのが「実質1列目」の存在です。京セラドームのグラウンド周囲には、プロ野球時に選手と同じ目線で観戦できる「大商大シート(フィールドシート)」が可動式で設置されています。音楽コンサートのステージ構成やアリーナレイアウトによって大商大シートが収納・撤去されているか、あるいは客席として開放されているかによって、スタンド下段の最前列がどこになるかが変動します。
大商大シートが完全に客席として稼働している公演では、スタンド下段の「1列目」であっても目の前に数列の座席が存在するため、グラウンドフェンス際の最前列にはなりません。さらに、バックネット裏から内野席前方にかけては、可動席やカメラ用スペースの兼ね合いで「A列〜P列」などのアルファベット列が前方に配置され、その後に1列目が続く変則ブロックも存在します。手元のチケットが「下段1列」だからといって、無条件にフェンス最前席とは限らない点に留意が必要です。
また、前方列(1〜10列)と後方列(20列以降)ではスタンドの傾斜角度が体感的に大きく異なります。前方列は傾斜が比較的緩やかであるため、前の座席の観客の座高や持ち上げられたうちわ・ペンライトによって視界が一部遮られやすい傾向があります。対して後方列に進むにつれてスタンドの傾斜がしっかりついていくため、前の人の頭越しに視界が抜けるというメリットが生まれます。近さを取るか、視界のクリアさを取るかという構造的なトレードオフがここにあります。